全文公開 著作
ミケランジェロの恋
午前一時、階段に足音がして浪人中の甥の世三が入ってきた。「電気がついているからまだ描いているのかなと思って」彼は机の上をのぞきこんだ。世界美術大全集(小学館)が広がってる。「ず…
続きを読む鬼とブドウ
目を覚ますとぼんやりと眠い目に青い海が見える。ザブン、ザブン、波がうねっている。波同士がぶつかると、真っ白な波泡がザザァと日の光に砕ける。ああ、いい気持ち。なんてきれい・・…
続きを読む和歌の主題による幻想曲
さむしろや待つ夜の秋の風ふけて月を片敷く宇治の橋姫 …
続きを読む和歌の主題による幻想曲 鵜飼い船
ひさかたの中なる川の鵜かい船 いかに契りて闇を待つらむ 藤原定家 川は真っ暗だ…
続きを読む恋文屋
高瀬川の端をぶらぶらと幾度も渡り路地裏の柳の大木が夕風にふらふらと揺れているのを見るともなしにみて、食堂やら居酒屋が建ち並ぶ路地を歩いていると、格子窓に紙が貼り付けてある。「季節…
続きを読む蛙の相撲
幸いにも残業がなかった。僕は勇んで帰宅の準備をした。窓の外はまだ五月の夕暮れ前の日差しが溢れている。僕は鞄を抱え、机の間を急ぎ足で通り過ぎた。誰かが僕を呼びとめた。僕はびくっと…
続きを読む佐賀純一 著作集
- 『朝日の「記事」はどこまで信じられるか 正義と偽善・その虚実を衝く 一市民の素朴な疑問』日新報道 1978年
- 『通運丸と黒田船長 消えた蒸気船とそのころ』筑波書林 1980年 ふるさと文庫
- 『元年者たち』山手書房 1982 Kindle版
- 『職人くさぐさ 伝聞ノート1』編 筑波書林 1982年 ふるさと文庫
- 『商人と街ぐらし 伝聞ノート2』編 筑波書林 1982年 ふるさと文庫
- 『町場のおんなたち 伝聞ノート3』編 筑波書林 1982年 ふるさと文庫
- 『霞ケ浦水村譚 第1部 (夜のおどし)』筑波書林 1983年 ふるさと文庫
- 『霞ケ浦水村譚 第2部 (志戸崎風景)』筑波書林 1983年 ふるさと文庫
- 『霞ケ浦水村譚 第3部 (洲曳きの浜)』筑波書林 1983年 ふるさと文庫
- 『木碑からの検証 戦時下の土浦駅構内事故』筑波書林 1984年 ふるさと文庫
- 『浅草博徒一代 伊地知栄治のはなし』筑摩書房 1989年 のち文庫、新潮文庫 Kindle版
- 『氷雪のバイカル 革命下のシベリアを見た少年』筑摩書房、1990年
- 『歓喜天の謎 秘められた愛欲の系譜』図書出版社 1992年
- 『ちじらんかんぷん 庶民の生きた明治・大正・昭和』図書出版社 1992年
- 『田舎町の肖像』図書出版社 1993年 Kindle書籍版
- 『失なわれた村の日々』図書出版社 1993年 Kindle版
- 『戦火の記憶 いま老人たちが重い口を開く』筑摩書房 1994年 「戦争の話を聞かせてくれませんか」新潮文庫
- 『霞ケ浦風土記 風、波、男と女、湖の記憶』常陽新聞社 1995年
- 『古事記変容する神々』東洋医学舎 2005年
- 『小説蛭子 古事記より』東洋医学舎 2005年
- 『患者さんは名医』東京新聞出版局 2006年 Kindle版
- 『筑波山愛ものがたり』常陽新聞新社 2006年
- 『坊っちゃん 漢方流』東洋医学舎 2006年
- 『藪医竹軒行状記』東洋医学舎 2008年
- 『火と文明の神迦具土を見よ』新幹社 2011年